2011年5月18日水曜日

TBSの「JIN-仁-第5回(5/15)消えた体の謎」を見ました

 仁は、懸命にお初の手術をしていました。その時、仁の体が消え始めました。咲が「先生!先生!」と叫びます。
 仁は、体が消えた後、浮遊したようにさ迷います。
 「ここはどこだ…誰かが結婚をしている…あれは成長したお初ちゃん…」
 角樽ののしに南方の文字がありました。
 「あの男は、オレの先祖か…」
 また別の所に浮遊します。
 「あれはオレの生まれた家では…するとあの子は、オレか…」
 「お初ちゃんが成長するとオレじゃないオレが生まれるのか…」
 
 しばらくすると仁は、お初を手術している部屋に戻ります。咲が、「先生!先生!お初ちゃんが…」と叫んでいます。仁が気づくと、お初は大量出血をしていました。
 「悔しい…何で、何で!戻ってこいお初ちゃん…」仁は叫びながらお初の蘇生をしていました。しかしお初は戻ることはありませんでした。
 お初の父親が「これがお初の定めだったのだ…ありがとうございました。」と仁に言います。
 仁は「申し訳ございません…」と言います。

 咲は、仁と二人になると仁が消えた後どうなったのかを聞きます。仁は、お初の結婚式や自分の生まれた家屋、自分の子供時代を上から眺めていたことを話します。
 「消えてしまってるうちに、そういう映像を見ました…私はお初ちゃんの命の代わりに生まれてくるのでは…」
 すると咲は「お初ちゃんの定めでは…先生のせいではありませぬ…」と言います。
 仁は「私は前から思っていたんですけど…私は誰も助けていないのでは…たとえ助けたとしても、その後で別の問題で直ぐに死んでしまう…」と咲に言います。

仁は江戸にもどって、勝と恭太郎に会っていました。
仁は勝に「龍馬さんが、襲われたのですか…」と聞きます。
勝は仁に「逃げ延びたらしいよ…先生、こっから先、龍馬とかかわる時には充分に注意してくんない…」と言います。
話が終わって恭太郎は、仁と二人になると「先生、咲をどのように思われているのですか…」と聞きます。
仁は「私に出来ることは、咲さんを一人前の医者にすることです…」と言います。
恭太郎は仁に「本当にそうでしょうか…」と言います。
仁は恭太郎に「いつ消えるかもしれない、身元も分からない人間ですから…」と言います。

寺田屋事件を聞いた仁は、龍馬の言葉を思い出します。「南方仁がおれば、坂本龍馬は死なん…」そして「歴史の修正力…オレは何の為にここに来たのだろうか…」と思います。

仁友堂に、歌舞伎役者の澤村田之助がやって来ます。
「先生、ちょっくら診てもらいたいやつがいるんだけど…私の兄弟子で、吉十郎という役者で…」
すると咲が「あの坂東吉十郎で…」と言います。
仁と咲は、吉十郎の診察に行きます。吉十郎は重病でした。
診察が終わると仁は「鉛炎がみられます…鉛中毒です…」と言います。
すると田之助が「何で…」と聞きます。仁は「おしろいに鉛が入っています。化粧を落とす時などに、溶けたものが口から入ったのでは…」と言います。
その時、吉十郎が苦しみだします。仁は「咲さん、モルヒネ…」と言って、吉十郎を治療し始めます。
治療が終わった後、咲は吉十郎を看病していたのですが、吉十郎が落ち着いたので仁と田之助の所に来ました。
仁が咲に、吉十郎の様子を聞くと咲は「モルヒネはあまり聞かないようでした…自然に落ち着かれたようで…」と言います。
田之助が仁に「それで兄さんは治るのかい…」と聞きます。
仁は「治りません…鉛を体内から出す方法が無い…」と言います。
田之助は「せめて舞台に…最期の舞台に立たせてやりたい…」と言いますが、仁は「それは無理です。手足がしびれていて、立つことも難しいのに…」と言います。すると田之助が興奮して「無理、無理言うだけなら誰にでもできる…そんなの医者じゃねえ…」と言います。
仁は困って考えます。そして、思いなおして「そうですね…吉十郎さんを仁友堂に運んで、治療してもいいですか…」と言います。

仁は、吉十郎を仁友堂に連れてくると治療を始めます。食事療法・ペニシリンの点滴・塩化カルシウムの投与。考えられる治療法は全て行いました。その甲斐があってか、吉十郎の様態は少しずつ持ち直していました。
咲が、吉十郎の息子の与吉に「お父っあん、薬が効くようで良かったね…」と言いますが、与吉は黙っていました。この親子には何か秘密があるようでした。

咲は仁が、いろいろと治療法を探しているのを見て「先生、いつもより張り切っていますね…」と言います。仁は「鉛の解毒が出来るものが無いかと思って…」と言います。
仁は福田玄孝に「生薬で、解毒作用のあるものはありませんか…」と聞きます。玄孝は「いろいろありますが…」と言って仁に生薬を見せます。
仁は生薬を使うことにしますが、玄孝が「鉛に聞くかどうか、どうやって試すのですか…」と聞きます。仁は「ネズミで為します。」と言って、実験装置を作って玄孝に見せます。玄孝が「しかし、何とも残酷ですな…」と言うと、仁も「本当に…」と言います。
玄孝の言葉は、この時代の本草学では、動物実験などはあまり行われていなかったからでしょうが、まったくなかったわけではありません。有名な花岡青洲の麻酔薬の場合は、確か猫で行われていたと思います。その後に、母親と妻が何回も人体実験を行い完成させています。しかし妻は、人体実験の結果失明してしまいます。

仁は吉十郎の診察をしていました。
「感染症は良くなっているようで…傷は良くなっています…」
吉十郎は寝言を言っていました。
「これはお芝居のせりふでは…」
「先生、この分では舞台に立てるのでは…」
咲が診察の様子を見ていた与吉に「この分だとお父っあん、舞台に立てるかも…」と言いますが、与吉は黙って立ちあがり、どこかに行きます。咲は仁に「先生、この親子何かあるのでは…」と言います。

咲が縁側に来ると、庭の方で与吉が何かをしていました。咲はそれを見て「与吉ちゃん、何しているの…」と言います。与吉はびっくりしますが、何も無かったふりをして、庭の石が「ずれていたから…」とだけ言ってどこかに行きます。

仁は自室で研究をしていました。そこへ咲が灯り用の油を持って来ます。
咲は仁に「油をお持ちしました…ちゃんと眠られていますか…川越から戻られて、ろくに寝られてないのでは…」と言いますが、仁は無心で研究をしていたので、咲の言葉がほとんど耳に入りませんでした。
「ネズミ…」
「先生、ちょっと…」
「食事療法と塩化カルシウムが思いのほか聞いているようで…芝居の練習が出来るかも…」
「先生、何かお心配な事は…」
「信じられないほどいいです…私の知る限りではありません…何千種類の生薬の中から…すいません興奮して…」
「先生、のめり込み過ぎているのでは…」
「負けたくないのです。歴史の修正力に…ここで負けたら…ここに来た意味が無くなる…自分の出来ることは延命ぐらいしか…」
「延命だけではいけないのですか…未来は、どうかは知りませんが…未来では人は死なないのですか…」
「私は、何の為にここに送られて来たのでしょうか…」

吉十郎は興奮して、与吉を叱りつけていました。思いのほか病状が好転していました。吉十郎は仁と咲に「こいつは本を捨てやがった…今度やる舞台の本だけを捨てよった…」と言います。咲が「与吉ちゃんは、吉十郎さんの体のことを心配して…」と言います。
すると吉十郎が「そんなんじゃない…こいつはオレが、嫌いで嫌いで仕方がないんだ…与吉も、女房もろくに面倒を見てやらなかったから…家に帰るぞ…」と言います。咲が「行くことはない…ここに居ていいよ…」と言うと、吉十郎は与吉に「今度は、ここの厄介になるつもりか…」と言います。
与吉は吉十郎を大八車に乗せて、家に連れて帰ります。

仁は吉十郎を心配して「投薬を辞めたらどうなるか、様子を見て来ます…」と言って、吉十郎の家に行きます。吉十郎の家に行くと、吉十郎は稽古をしていました。
咲が「よくあんなに動けますね…大丈夫ですか吉十郎さん…」と言います。仁は「ここで無理をしたら…」と言います。その時、吉十郎が倒れます。
すると、佐分利祐輔がやって来て「ちょっとすんまへん、私が痛み止めを忘れたんや…ちょちょちょっと治しますから…すんまへん…」と言います。

仁は田之助に「芝居に出るのは考え直した方が…舞台に立つ前に無くなるかも…どうして、あそこまで…」と言います。
田之助は「親だからだよ…兄さんは、役者バカだから…芝居と酒にのめり込んで、子供と嫁さんを捨ててしまった…嫁さんは、そんな兄さんに嫌気がさして、男を作って逃げ出してしまった…兄さんは放蕩が過ぎて、体が悪くなって…芝居が出来れば食って行くことが出来ると思って、あの子に芝居を教えようとしたが、あの子は言うことを聞かなかった…強情で…」と言います。
田之助は吉十郎とのやりとりを思いだすようにして話し続けます。
「田之助、与吉にオレの芝居を見せてやれないか…」
「兄さん、その体じゃやれないよ…」
「オレが与吉にのこしてやれるのは、それしかない…オレは人間の屑だ…いまさら赦してもらおうとは思っていない…オレには芝居しかない…親父には一つだけ取り柄があったと思えば…それだけで生きていけるのでは…」
田之助は仁に「先生、命の値打ちとは、長さだけなのかい…」と言います。

吉十郎は自分の部屋で寝ていました。そこに佐分利祐輔が来ます。
吉十郎は祐輔に「さっきはありがとう…」と言います。
祐輔は「私は医術を極めたい…だから、あんたが芸を極めたい気持ちが良く分かる…」と言います。

咲は、仁と二人になったとき「先生がここに来られた訳は、一人一人の命を救うのではないのかもしれませぬ…もっと大きい世の営みを超えるものでは…」と言います。

仁は、どうにかして吉十郎の治療法を見つけようとしていました。そして、福田玄孝に本草学の生薬について質問していました。
「これは何という薬ですか…」
玄孝は「名前と言われても…吉十郎さんの症状に合わせて調合したものですから…」

吉十郎は厳しい稽古をしていました。そして倒れます。側にいた祐輔が「直ぐに点滴を打ちますさかえ…」と言うと、治療を始めます。
吉十郎は与吉のことを「こいつはオレのことが嫌いで、嫌いで…」と言います。そんなようすを与吉はみていました。
 咲は、ふと何かを思い出し、その場を立ち去ります。

咲は、庭で何かを探していました。そこへ仁がやって来ます。
「何をしているんですか…咲さん…」
咲が庭石を動かすと「これは…やはり…」無くなっていたはずの吉十郎の本が出て来ました

いよいよ芝居の初日の日が来ました。吉十郎は、化粧をし衣装も着おえていました。
祐輔は「何があってもいいように、私らが舞台のそでに居ますから…」と言います。
仁は「吉十郎さん、楽しみにしていますから…」と言います。
咲は「与吉ちゃんを捜して来ますね…」と言うと、与吉を探しに行きます。
吉十郎は「さてと、オレも田之助に礼の一言でも言ってくるか…」と言って立ちあがり部屋を出ます。吉十郎は、台詞を言いながら廊下を歩いていました。そして、やはり芝居をするのは無理なのか、廊下で倒れます。
そこへ田之助がやって来ます。「兄さん、大丈夫ですか…」すると吉十郎が「なあに、廊下が滑っただけさ…」と言います。
そんな様子を見ていた座主の親方が吉十郎に「吉十郎、あきらめてくれないか。そんな姿で芝居をしたら、お客様に悪い…」と言います。田之助は、「いいじゃないか…」と言って、親方にはむかいます。
仁は「大丈夫です。必ず立てるようにします…実は、一つ策があります…」と言います。しかし、吉十郎はそこで苦しみ始めます。そして、吉十郎をみんなで支度部屋に連れて行きます。
仁は「吉十郎さん、聞こえますか…」と呼びかけます。吉十郎は「かぶいた芝居がしたかった…芝居はオレだけのものじゃないもんな…」と言います。与吉は心配そうにその様子を見ていました。

吉十郎は横になっていました。舞台の方から役者の台詞が聞こえて来ます。
吉十郎は「始まった…畜生…もうちょっとだったのになあ…」と言います。
仁は「吉十郎さん、体を起こせますか…」と言って、吉十郎を抱き起します。与吉は吉十郎をじっと見つめています。
仁は「立つ為の道具です…芝居中に立てなくなったらと思って作ったものです…」と言って、足に補助器具を付けてあげます。吉十郎は立ち上がり、力を振り絞って最期の芝居を与吉に見せます。
与吉はその場から逃げ出そうとしますが、咲が抱きとめて、咲と二人で次の間から吉十郎を見ていました。咲は芝居の本を出して、与吉に渡そうとします。そして、「本当は、お芝居のことばかり考えてこんな事に…死にそうになってもお芝居ばかり…本当は、言いたいことが沢山あって…でも言えなかった…今おとっちゃんは、与吉ちゃんに話しかけようとしているんじゃないかな…
与吉は、吉十郎が倒れる姿を見ます。そして、「大和屋、大和屋…」と叫びます。吉十郎は涙を流しながら起き上ります。与吉は、吉十郎に「よッ日本一…」と声を掛けます。二人の心が通い合います。
仁は思います。「束の間の延命…もしかしたら延命にすらなっていないかも…この瞬間では、長さにかかわらず命の意味がある…」と

吉十郎が無くなると、与吉は田之助に「田之助さん、オイラおっとうの跡を継ぎたいです。仕込んでもらえませんか」と言います。
仁は、歴史の修正に挑むことを決意します。

仁友堂では、みんなでペニシリンの粉末化の実験をしていました。
咲は自分のビーカーを見てビックリします。いつもの反応と違って白く濁ったからです。咲は仁にビーカーを見せます。すると仁が「これはどうしたんですか…」と聞きます。咲は、「水とアルコールを間違えて…」と言います。
仁友堂では、咲の失敗からペニシリンの結晶化に成功します。

龍馬から手紙が来ます。咲が仁に「龍馬さんは何と言っておられるのですか…」と聞きます。仁は「亀山社中でペニシリンを扱いたいと…」と言います。そして仁は、勝の言葉を思い出します。今、龍馬は危険だ…
咲は「何の為にペニシリンを…これは仁友堂の使命でございます…」と言います。
仁は心の中で、「行こう龍馬さんの所へ…見ててくれよ、お初ちゃん…」と言います。
ここで次回に続きます。

仁が消えて浮遊した時はどうなるのかと思いましたが、元に戻ることができてほっとしました。しかし仁は、お初が生きていれば、別の自分が生まれていたことを確信しました。お初の死で、歴史は修正されたのです。

さて、今回のテーマは、生きる意味についてでした。

仁は吉十郎の治療をしていて、「延命だけしかできない…」と悩んでいました。咲は、そんな仁を見ていて「延命だけではいけないのですか…未来では人は死なないのですか…」と言います。また、「先生がここに来られた訳は、一人一人の命を救うのではないのかもしれませぬ…もっと大きい世の営みを超えるものでは…」とも言っています。
田之助は「命の値打ちとは、長さだけなのかい…」と言います。三者三様でしたが、どれも間違ってはいないと私は思います。ただ、何を主眼として考えるかによって、答えが変わってくるのだと思います。

現代の医者は、根本治療を考えるのですが、そこまで行き着かない時にでも、患者の意思や苦痛にもかかわらず、延命処置を執るきらいがあります。これは医者の独りよがりなのかもしれません。かといって、患者や家族のことを思い、少しでも長く側におられるように延命する場合もあると思います。また、それとは反対に、命の値打ちを長さだけに求めるのではなく、生きた証しをどう引き継がせるのか…と考える場合もあります。医者と言う職業は、人間の死に際に、この様な事を考えて看取らなければなりません。倫理観と言うべきか、哲学と言うべきかは分かりませんが、このドラマで緒方洪庵のいう医の道とは、こういうことも含まれているのだと思います。

そして、仁の出した答えは、「束の間の延命…もしかしたら延命すらなっていないかも…この瞬間では、長さにかかわらず命の意味がある…」でした。これは、吉十郎が与吉の為に最期の演技をした時の言葉でした。その後、与吉は田之助に弟子にしてくれと頼みます。吉十郎の想いが、与吉に通じたからだと思います。

最期に、仁は歴史の修正に挑むことを決意します。ただ、佐久間象山の言葉「その知識を使え…それこそが神の意思じゃ…歴史を変える為につべこべ言わずに進め…もしオマエのやったことが意に済まぬことであったならば神は取り消す。神はそれほど甘くはない…進め、進むのじゃ…」と、どう整合性を図るのかは次回の楽しみです。

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