2012年11月22日木曜日

「セアカゴケグモの血清配備」厚生労働省が国内では未承認のため、国では配備できないと呆れた回答


 今、福岡市およびその周辺地域を中心として、北部九州一体で外来生物セアカゴケグモが越冬し繁殖しています。そして自治体は、その対策に追われています。しかし、国民の生命と安全を図らねばならない厚生労働省は、法の不備の元に解決策を打ち出そうとしていません。これでよいのでしょうか!まずは、下記の新聞記事をお読みください。

 

 20121120日読売新聞夕刊

 

セアカゴケグモ「血清 国が配備を」福岡市長が要望書

 

 福岡市の高島宗一郎市長は20日の定例記者会見で、同市などの23府県で発見例が相次いでいる特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」の血清について、国として配備するよう求める要望書を厚生労働省に提出したことを明らかにした。

 市によると、セアカゴケグモの血清は国内では未承認で、医師個人が海外から輸入するしかない。薬事法は輸入者以外が投与することや、他の医療機関への譲渡などを認めていない。

 このため、15日に提出した要望書では、国による配備に加え、輸入した医師以外も使用できるよう求めた。厚生労働省からは「国内では未承認のため、国では配備できない。医療機関の代表が連名で輸入してはどうか」など、運用面で対応するよう提案されたという。

 市では現在、市民病院と市立こども病院の院長が10本ずつ購入し、備蓄している。9月に80歳代の女性がかまれた際、こども病院の血清が西区の医療機関に譲渡され、女性に投与された。高島市長は「薬事法に抵触する恐れがあるが、処方した医師の判断は間違っていなかった。国には早急に対応してもらいたい」と述べた。

 

 

 厚生労働省および官僚には、国民の生命と安全を守る義務があるはずです。毒グモの血清は、国が配備管理すべきなのに、「国内では未承認のため、国では配備できない。」と言っています。本末転倒としか言いようがありません。おまけに国の責任と義務を「医療機関の代表が連名で輸入してはどうか」と、自治体や民間に押し付けているのです。呆れてものが言えません。こんな血も涙も無い行政がまかり通るのでしょうか。

 セアカゴケグモの繁殖の実態は、国が考えているよりは、はるかに進行しているのです。福岡市は、アイランドシティ中央公園で、2009年から20129月までの4年間に8201匹を駆除したと公表しています。現在でも定期的に公園の側溝のふたなどを開けて駆除を続けています。これは、周辺都市でも同様に行われています。それなのに血清の備蓄を自治体や民間に押し付けていいのでしょうか。厚生労働省は、国民の生命と安全を守る義務をどう考えているのでしょうか。子供や老人などの体力があまりない人たちが、毒グモに噛まれて、もしもの事があったらどう責任を取るというのでしょうか。呆れるばかりです。

 仮に、福岡市のような大都市には備蓄が出来るとしても、周辺の自治体にまで配備を求めるのは酷というものです。国が前面に出て来て、国民を守るべきなのです。現実は、法律の先を進行しています。ならば、国は国民を守る為にその先を行くべきなのです。法律を作るのに時間がかかるのならば、省令を出せば済む事です。特例として、血清が承認されるまでは、国民の生命と安全を守る為に外国製の血清を備蓄すると……厚生労働省は、国民の生命を預かっている役所だという事を忘れて欲しくありません。書類の垢にまみれた行政は止めて欲しいと思います。

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