鳩山元首相の評判があまりにも悪いので、あえてその真逆の方向から書いてみたいと思います。
人は、鳩山元首相のことを『宇宙人だ!変説だ!』と言いますが、彼だから成しえたことがたくさんあります。彼が自民党を飛び出して、仲間と新党さきがけを作った時、誰が今の民主党を想像できたでしょうか。どうせ新自由クラブのように、また自民党に舞い戻ってくると、誰もが思っていたはずです。河野洋平氏や西岡武夫氏のように仲間割れをして、早々に自民党に戻るような大変説はしていません。小党の悲哀など初めから分かっていたこと、ただひたすらに自分の政治課題である二大政党の道を模索しながら、ドンキホーテのように走り続けたのです。時には排除の論理で武村正義氏の首を取り、泥をかぶることもしました。大勲位中曽根康弘氏から「きれいごとだらけで中身がなく、ソフトクリームのようにすぐ溶ける。」と酷評されても、飄々と党務に励んできました。また、代表選に勝ち、中野寛成氏を幹事長に据えた時には、若手から代表の座を引きずり降ろされもしました。きっと腸が煮えくり返っていたと思いますが、黙して語らず、民由合併へと導きました。そして現在があるのです。宇宙人だから成しえた政権交代なのです。ただ頑固なだけで、何も成しえない岡田幹事長や、メール事件から何の教訓も得ず、反省もしない、ヤンチャなだけの前原外務大臣。首相になった途端に、借りてきた猫のようにおとなしくなり、国会で追及されるのが恐くて、オドオドしている管首相。みんな人のふんどしで相撲を取っているだけじゃないですか。
また、鳩山元首相が普天間問題で変説をしたと言いますが、神輿を担ぐべき副総理・外務大臣・防衛大臣・沖縄担当大臣が神輿を担がず、それぞれが勝手なことばかりをして、あげくの果てには神輿を放り投げる。ご神体だけで何が出来ると言うのですか。それでも鳩山元首相は、戦艦大和のようにただ一人で沖縄に行き、詫びを入れたじゃないですか。他の誰が責任を取りましたか。みんな現政権や党の幹部に横滑りしているじゃないですか。自分のふんどしで相撲を取っていないからそういうことが出来るのです。恥を知れと私は言いたいです。
それから、マスコミは何をしていたのですか。「寝た子を起こしてしまった。」とか「宇宙人、鳩山首相が変説してしまった。」とか聞こえてきましたが、沖縄県民は「もう嫌だ!安全保障は沖縄だけに押し付けず、日本全体で考えてください。」と言っているのですから、協力すべきではなかったのですか。それなのに「一体運用が出来ない」とか「アメリカを怒らせてしまった」とか、まるでアメリカのマスコミのような報道をして恥ずかしくはないのですか。ちゃんと裏を取って報道しているのですか。視聴率を上げたり、部数を伸ばすために煽っていたんじゃないのですか。一部の軍事専門家は、北部九州なら一体運用は出来ると言っていましたよ。「対馬・佐世保・五島列島・佐賀空港」裏は取ったのですか。沖縄ならよくて、北部九州ならいけない理由があるのですか。人種差別と言われても仕方がないですよ。せっかく政府がやる気になったのに、足を引っ張るだけで協力しようという姿勢がまるでない。日本のマスコミは本当にどうしようもないですね。この問題は必ずもう一度、表面にあらわれてくると思います。その時マスコミは、どのようなスタンスで取り組むべきか、今から考えておくべきです。
政治家は結果責任が重要だ!とよく言います。確かに鳩山元首相は変説したのかも知れませんが、この問題を正面切って取り上げたことによって、安全保障の重要性を国民に知らしめた結果をマスコミはどう評価するのですか。私は、鳩山元首相だから出来たことだと思います。今まで自民党は何をして来たのですか。ただ、沖縄県民に押し付けてきただけじゃないですか。アメリカの存在をかってに巨大化し、恐れていただけじゃないですか。自ら行動を起こさず、めんどくさがっていただけじゃないですか。仮に、鳩山元首相が今の力を温存することが出来て、改めて普天間問題に取り組んだ時に、変説だとは言ってほしくはありません。
それから鳩山元首相の献金問題ですが、みんなお腹の中では分かっている事じゃないですか。お母様から頂いたお金は、政治資金として使ったのだと思いますよ。しかし、それがそんなにいけない事なのですか。確かに、現在の法には触れるのかも知れませんが、昭和の時代だったら、井戸塀政治家として讃えられることがあっても、ここまで叩かれることはなかったと思いますよ。
お母様のお父様は、ブリジストンの創業者、石橋正二郎氏です。今でこそ企業の社会貢献が問われていますが、石橋正二郎氏は、今から80年以上も前(ブリジストン創業以前の日本足袋の時代)から、地方公共団体・教育機関・社会福祉団体等に莫大な私財を寄付されています。石橋文化センターの正門の石文には、「世の人々の楽しみと幸福のために」と刻まれています。今でも石橋家では、この志を引き継がれています。石橋正二郎氏の長女であるお母様が、自分の息子である鳩山元首相に対して、世の中のために使いなさいとお金を出されても、決して不思議ではないと私は思います。
それよりも、このことを鬼の首でも取ったかのように報道し続けるマスコミの懐の狭さを嘆かわしく思います。まるで高度成長期のトップ屋じゃないですか。国益がどれだけ損なわれたことか、国益よりも社益を優先するマスコミの在り方に疑問を感じます。(今のマスコミは、一つの事を何度も何度も繰り返し、視聴者や読者に潜在的な意識を植え付けるのです。そして言論の潮流を作りだし、それが津波や洪水のように制御が不能になっても、社益さえ取れればいいのです。問題の本質や重要度などはおかまいなしなのです。)
それから、鳩山元首相には、マスコミから何と言われようとも、小沢さんの背広の裾を確り握りしめて離さないでほしいと思っています。せっかくここまで来たのですから、分裂だけは避けてください。もちろん、そのつもりで現在行動されているのだと信じています。宇宙人・鳩山由紀夫だったら出来ると思います。
最後に、弟邦夫氏が、兄弟喧嘩をするために、よくちょっかいを出していましたが、由紀夫氏は、殆ど相手にしませんでした。でも、邦夫氏が法務大臣時代に、死刑問題で、人殺し呼ばわりされた時、由紀夫氏は会見で「弟は、人殺しなんかじゃない。ただ、法務大臣の職責をまっとうしているだけです。」と、毅然と答えられました。私はこの言葉に、由紀夫氏の人間性を感じました。
鳩山元首相の場合、宇宙人とは一つの個性だと私は思っています。こんな政治家が一人ぐらいいても、いいではないですか。何も首相だけが政治家ではないのです。首相を辞めてからでも政治は出来るのです。アメリカのジミー・カーター大統領は、大統領を辞めてからの方が、人気が高くなりました。頑張れ宇宙人!鳩山由紀夫!!
<後記>
あえて真逆の方向から、一方的に書いてみました。このような考え方もあるのだなと、理解していただければ幸いです。
また、管首相が、国会が終わった途端に急に元気が良くなったみたいです。小沢さんを叩けば、支持率が上がるとでも思っているのでしょうか。このまま行けば、党が割れる可能性が大きくなっているように思います。政策を放っておいて、チキンゲームばかりに精を出して……その元気は、国会で使うべきだと思います。