2010年12月30日木曜日

成せばなる

 古本屋で、小説上杉鷹山という本を見つけました。ケネディー大統領に「上杉鷹山は、私の最も尊敬する日本人だ」と言わしめた、鷹山とはどんな人だろうと思い読んでみました。
 鷹山の言葉に「成せばなる 成さねばならぬ何事も 成らぬは人の 成さぬなりけり」とありました。どこかで聞いたこの言葉、とても懐かしい言葉でした。
 それは、私が小学校2・3年の時の担任、高橋ナミ先生から教えて頂いた言葉でした。ナミ先生からは、他にもいろいろ教えて頂きました。「人の振り見て、我が振りなおせ。」「勝って兜の緒を締めよ。」……戦争に負けて、大陸から引き揚げてこられた、ご自分の体験談など、教科書には載っていない事を沢山教えて頂きました。
 そんな先生が、ある時、理由は忘れましたが、教室でM君のほっぺたをビシッとたたかれました。私はビックリして二人を見つめていると、どうも先生の勘違いのようでした。そして、そのことを理解された先生は、次の瞬間、M君のほっぺたを両手でほおずりするようにして「痛かったやろ。ごめん!ごめん!」と、真剣に謝られました。私はそれを見て、何ていい先生なんだろうと思いました。自分の非を認め、生徒に謝ることは、なかなか出来ることではないと思ったからです。今の時代なら、PTAやら教育委員会やらと大変なことになったでしょうが、何も無く時は過ぎて行きました。
 「昔は昔、今は今。」とよく言います。確かに、時の流れには逆らうことができない事もありますが、未来につなぐ哲学は必要だと思います。

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