まずは、この記事をお読みください。
読売新聞 2012年6月17日(日曜日)
「原発なくせば」の幻想
原発への嫌悪と安全性への不信が満ちている。原発抜きで暮らしは立ちゆくのかと将来不安にかられる人たちもいる。世論が二つに割れる中、大飯原発の再稼働が決まった。
この夏は節電と火力発電所のフル稼働で乗り切れるはずなのに、との不満はなお残っている。しかし、老朽化した火力発電でトラブルでも起きれば、たちまち大停電の危機に直面する。病気療養中の人などは命の危険にさらされる。
それひとつとっても、ギリギリの電力供給や自主性頼みの節電努力というあやうい「綱渡り」を選んで良いはずがない。大飯再稼働は当然の判断だった。
これから世の中の関心は、他の原発再稼働の是非に移ってゆくだろう。
福島原発事故の過酷さや、今なお帰る場所もない人を思えば、原発への不信、嫌悪は当面避けられないかもしれない。しかし今、原発停止でわれわれが支払う「代償」の大きさにも冷静に思いをはせたい。
例えば、代替電源として輸入する石油や天然ガス調達で、年3兆円近いお金が海外に流れ出る。その分電力料金は上がり暮らしを圧迫する。企業は海外に逃げ、職を失う人も増えるだろう。エネルギー安全保障も危うくなる。
こう書けば、「それは経済の論理である。命の方が大切なのだ」という反発が必ずあるだろう。
しかし、経済活動は暮らしや命そのものである。失業や生活苦による自殺の増加などの形で暮らしを脅かす。化石燃料多様が大気汚染を経由して命をむしばむこともある。社会基盤の弱体化は、次世代に引き継ぐべき「未来」を奪うかもしれない。代替するあての無い原発停止の代償は過小評価すべきではない。
原発を止めれば命や未来を守れる、と思うのは幻想だと思う。現実を直視せず、嫌原発や不信の連鎖に流されて、今後の原発政策を論じるのは危険だ。
もちろん冷静な議論には、ふさわしい環境がなければならない。政府は、新たな既成組織や法に基づく新しい安全基準を急ぐことはもちろん、中長期のエネルギー政策を早く示すことだ。過度に不信と嫌悪に傾いた今を正常化したい。
編集委員 近藤和行
私は、いますぐに原発の全面撤廃に賛成するものではありませんが、この記事は、あまりにも一方的過ぎるような気がします。なにか、政府や経済界の代弁者のような気がして仕方がありません。確かに、電力が不足して原発を稼働しなければいけないのかも知れません。しかし、私たち国民は、絶対に事故が起きないと言われ続けた原発が、目の前で事故を起こして、大惨事になった所をテレビの映像で見せつけられたのです。そして、その事故に対する対処の仕方がいかに杜撰な物であったかを…
それなのに、原発事故から1年以上が過ぎて、何を決めて実行しようとしているのでしょうか。一般の国民には、ただ原発再稼働あり気にしか移っていないと思います。将来どうするのかという哲学の欠片も見つけることが出来ません。再生可能エネルギーをどう増やしていくのか…発電における原子力・火力・再生可能エネルギーの比率をどうするのか…発送電分離をするのかしないのか…政府は将来像を国民に語るべきなのに、何一つ語っていません。こんな中で、原発の再稼働だけを決めても、済崩し的に以前と同じように原発行政が推し進められることは目に見るよりも明らかです。
新聞は、政府や経済界に追随するような上から目線ではなく、もっと国民に寄り添った記事を書くべきです。将来像を語らない政府に対して追及すべきなのに、この記事は酷過ぎるように思います。新聞の見識はどこに行ったのかと思いました。
追記
電力が足りなくなって 停電する可能性があるのなら、また原発事故の可能性もあ るわけで、それを承知で原発の再稼働をするのならば、政 府は国民に将来像を語るべきなのに何もやっていません。 未来を語ることのできない政治は、ただ惰性の政治にしか すぎません。惰性がまた原発事故を起こす可能性もあるわ けで…
リスクの無い政治は無いと思いますが、国民にリスクを背 負わせる為には、夢というか目標値を掲げなければ…新聞 も政府にそれを即すべきなのに…何年後にはこうなります 。何十年後にはこうなります。という絵図面を国民に見せ るべきなのに…何もせずに、ただ惰性だけで原発の再稼働 を決めてしまったと思います。
昔、日本列島改造論という田中角栄元総理の著書がありま したが、四十年後の現代は、まさにそのとおりになってい ます。手塚治虫が鉄腕アトムなどで未来都市を描いていま したが、科学者たちはアトムを目指して二足歩行ロボット 作り上げました。夢や目標値があったから今が有ると思い ます。しかし現代では、夢や目標値を語る政治家や言論人 がいません。それが残念です。
追記
電力が足りなくなって
リスクの無い政治は無いと思いますが、国民にリスクを背
昔、日本列島改造論という田中角栄元総理の著書がありま
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