2014年2月2日日曜日

万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を開発した小保方晴子(おぼかたはるこ)さんへの報道のあり方についてのネット上での論争で、私が思うこと


 今、万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を開発した小保方晴子(おぼかたはるこ)さんへの報道のあり方について、ネット上で論争が繰り広げられています。ネット情報が、既成の報道を監視することは、既成の報道に緊張感を与えて非常に好い事だと思います。ただ、いささか偏り過ぎているようにも思います。ネット情報が、敵でもあるかのように、悪意に満ちた報道への攻撃のように見えるのは私だけでしょうか…

確かに、行き過ぎた取材攻勢があったのかもしれません。事実、報道を控えるコメントが出ています。でも、これは既成の報道だけではなく、ネット情報を含めたものだと思います。それ以上に、周辺の大人たちが、若い女性科学者をよく守っているなと感じました。

日本の報道には、政治・経済・社会・文化学術・スポーツ・芸能等といったジャンルがあると思います。今回の件は、文化学術だけでなく、社会というジャンルでも報道する価値があるように思います。既成の報道を外国のメディアの報道と比較しているネット情報もあるようですが、日本の文化を学びもせずに、ただ英語が使えるというだけで外国へ行き、記事を流しているようにも感じられました。まるで、日本の報道が、学術面には全くふれずに、興味本位だけで書いているかのようでした。世界のメディアとはまるで報道姿勢が違うといわんばかりでした。しかし、ワイドショーですら専門家に解説を依頼していました。既成の報道が学術面の記事を載せない訳がありません。見込みや嘘の情報を流すのは止めて欲しいと思いました。

以前、「新人類」という言葉が、社会面をにぎわしていました。そして今は、「リケジョ」という言葉が……ところで、猿橋賞という学術賞があります。この賞は、男性社会の学会で、陽の当らない優秀な五十歳以下の若手女性科学者に与えられる賞ですが、「リケジョ」が差別用語かどうかは知りませんが、このリケジョが猿橋賞を突き抜けて、ノーベル賞にも匹敵するような業績を上げたのだから、世間が驚くのも仕方がないことだと思います。しかも、そのリケジョを支えたのが、名のある大人の男性科学者たちだったのですから、社会面での取材対象になっても当然のことだったと思います。

またネット情報は、「涙を流した…」という記事に対して、批判めいた情報を流していますが、日本人なら殆どの人が分かる「甲子園の涙」の意味を理解していないと思いました。科学者にとって、サイエンス誌などの専門誌に自分の論文が掲載されることは、甲子園に出場するようなものだと思います。しかし小保方さんは、精魂こめて書いた論文に対して、「あなたは、ここ何百年間の生物学を愚弄する気か…」と酷評されたのですから、悔しくて涙が出るのは当然のことだと思います。そして、サイエンス誌でさえ気づかなかった特異で単純な培養法を諦めずに開発したのだから、社会面の取材対象になって当然だと思いました。私は、スポ根顔負けの理科根の背景を知りたいと思いました。

さらにネット情報は、割烹着を着て取材を受けている記事や化粧をして実験は出来ないなどと批判めいた情報を流していましたが、日本の女性にとって割烹着は、ただの作業着としてだけでなく、正装としても使われていた時代があったことを知らないのだなと思いました。糊のついた純白の割烹着を着ていれば、正式な場にも出られた時代があったことを…おばあ様からもらった割烹着を着て取材を受けて何が悪いと思いました。そして、科学者にとって晴れ姿、化粧をして取材を受けて何が悪いと思いました。男性の学者でも背広を着て身だしなみを整えるではないかと思いました。

偏見に満ちた批判や、批判のための批判は、百害あって一利なしだと思いました。


追記
 車の運転をしていたら、STAP細胞の論文を取り下げるというニュースが耳に入ってきた。帰宅して夕刊を見ると一面の左側に次のような内容の記事が載っていた。

 読売新聞 2014311日火曜日 夕刊
STAP論文
ハーバード大調査へ
文科相「再度提出を」
 理化学研究所の小保方晴子・ユニットリーダー(30)らが発表した新しい万能細胞「STAP・細胞」の論文2本に不自然な画像などが見つかった問題で、論文の著者が所属する米ハーバード大医学部は10日、事実関係を独自に検証する方針を明らかにした。下村文部科学相は11日の閣議後の記者会見で、「再度、論文を出す様に期待したい」と語った。
 ハーバード大医学部のデビット・キャメロン科学コミュニケーション部長は、読売新聞の取材に対し「大学の方針や規定に従って徹底的に調査する。研究の整合性を厳格に維持するための努力を惜しまない」と語った。
 英科学誌「ネイチャー」に130日付けで記載された2本の論文は、理研と山梨大、ハーバード大、東京女子医大の研究者計14人が著者になっている。同誌によると、論文の撤回には原則として著者全員の同意が必要となる。同意しない著者がいる場合でも、同誌の判断で撤回に応じる可能性があるという。同誌は「調査を進めている」と話している。
 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)の10日の報道によると、著者の一人でハーバード大医学部のチャールズ・バカンティ教授は「(論文に)いくつかの間違いはあったが、結論には影響しない。論文を撤回すべき理由は見あたらない」と話した。

「取り下げ含め協議」理研
 理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)は11日、「論文を取り下げる可能性を含めて協議している」と話した。
 理研は11日午後に対応方針を公表し、14日に調査の経過を正式に発表する予定だが、「(STAP細胞を作製したという)論文の根幹は揺るがない」としている。





 この記事を読んで、遠い過去の記憶が呼び起こされた。それは、1968年に札幌医科大学で行われた日本最初の心臓移植手術だ。この手術が成功したと発表された時、日本中が湧きあがった。しかし、83日後、患者がお亡くなりになると、色々な問題が浮上し、以後、日本での心臓移植はフリーズされ、長きにわたって行う事が出来なくなった。
 STAP細胞の論文に、どの様な不審な点があるのか、まだはっきりしないが、科学者の功名心も分かるが、捏造は最も恥ずべき行為だと思う。その行為が研究を妨げることになったら本末転倒である。科学には真実があるはずだ。その真実を求める為には、捏造という抜け道を歩むのではなく、急がば回れだと思う。歩道橋を登るのは大変かもしれないが、未来の科学や生命にとっては、安全という保険に等しいものだと思う。論文は、一旦取り下げるべきだと思う。そして、歩道橋を渡り直して再発表すべきだと思う。科学者には、研究するだけでなく、倫理も求められていることを学んで欲しい。





NHK  NEWSWEB
2014年(平成26年)311日[火曜日]
STAP細胞 理研が写真流用の疑いで調査
311 1932
理化学研究所などのグループが発表した「STAP細胞」の論文で、研究の核心部分を証明する複数の写真が別の論文から流用された疑いのあることが分かり、理化学研究所は調査を始めたことを明らかにしました。
「STAP細胞」は、神戸市にある理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーなどのグループが作製に成功したと科学雑誌「ネイチャー」に発表したものですが、共同著者の若山照彦山梨大学教授が重大な問題があるとして論文の取り下げを呼びかけ、理化学研究所も取り下げを視野に入れて検討しています。
この論文について理化学研究所は11日会見し、研究の核心部分の一つでSTAP細胞に万能性があることを示した3枚の写真が、3年前、小保方さんが書いた博士課程の論文にある写真と極めてよく似ていて流用された疑いのあることを認めました。
極めてよく似たこれらの写真は、博士論文では、骨髄から採取した細胞からできた組織の写真と説明されていますが、ネイチャーの論文では、STAP細胞が分化してできた組織の写真だと全く異なる説明がされています。
これについて理化学研究所の担当者は、「新たな指摘を重く受け止め、調査を開始した。事実関係を把握して報告したい」と話しています。
スキャンしてデータ化か
データ解析を行っているセキュリティー会社によりますと、「STAP細胞」の論文に掲載されている問題の写真は撮影した生の画像データではなく、紙の文書をスキャンするなどしてデータ化したものを切り貼りしたとみられるということです。
論文から写真だけを取り出して分析すると、写真の上の部分に別の写真の一部とみられる紫色などの線が入っているのが分かるということです。
重要なデータだったので衝撃的
理化学研究所が調査を始めたことについて、論文の取り下げを呼びかけた山梨大学の若山照彦教授は、「写真はSTAP細胞がさまざまな細胞になる能力を示す論文の中でも重要なデータだったので衝撃的だった。このデータが信頼できないとすれば自分が実験で扱っていた細胞はいったい何なのか分からなくなってしまう。ミスなのか故意なのかも含めて何がおこったのか全く分からないので、調査でその理由を明らかにしてほしい」と話しています。
適正な対応を
理化学研究所が発表したSTAP細胞の論文の画像やデータに不自然な点があると相次いで指摘されていることについて、日本分子生物学会は11日、「多くの作為的な改変は単純なミスである可能性を遙かに超えている。適正な対応を強くお願いする」とする緊急の理事長声明を発表しました。
国内1万4000人の研究者が参加する日本分子生物学会は11日、公式ホームページで、STAP細胞の論文への対応について、緊急の理事長声明を発表しました。
声明では、「多くの作為的な改変は単純なミスである可能性を遙かに超えており、多くの科学者の疑念を招いている。成果の再現性は別問題として論文に対しての適正な対応を強くお願いする」としています。
そのうえで、理化学研究所に対して、STAP細胞に関する2本の論文の生データの即時開示や論文の撤回などの適切な対応と、公平性が疑われるような事態を招いた原因に対する詳細な検証と報告を求めています。


STAP細胞:論文撤回なら研究成果が「白紙」に
毎日新聞 20140311日 2302分(最終更新 0311日 2340分)
論文撤回には共著者全員の同意必要
 新たな万能細胞「STAP(スタップ)細胞(刺激惹起<じゃっき>性多能性獲得細胞)」の論文2本が撤回される可能性が出てきた。論文発表直後から次々と浮上した疑惑に対して後手に回った理化学研究所の対応に、科学界からも批判の声が高まっている。事態が深刻化した背景で何が起きていたのか。【八田浩輔、須田桃子、根本毅】
 学術誌に載った論文に疑問が生じた場合、文科省のガイドラインでは、研究者が所属する研究機関が第三者を交えた委員会で調査することが定められている。論文が撤回されるのは、捏造(ねつぞう)や盗用、データの改ざんなどの不正が、調査を経て明らかになった場合が大部分だ。「単純ミス」と判断されれば、修正で終わる。
 論文撤回は、研究成果が「白紙」となることを意味する。撤回論文は、世界共通の学術データベースに「撤回した」という注釈と共に残り、科学者としての業績や所属機関の信頼性にも大きな傷が付く。一方、修正の場合、論文の成果は残るため、撤回ほど深刻ではないと受け止められる。
 理研は11日、「論文の取り下げを視野に検討している」との見解を示したが、論文撤回には原則として共著者全員の同意が必要だ。STAP細胞の論文では、著者の一人、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授が10日、米紙の取材に「論文を撤回すべき理由は見当たらない」との見解を示し、同意を取りまとめられるかは不透明だ。
 過去にネイチャー姉妹誌に掲載された医学論文について、発表直後に疑問が出されたが、調査結果が出るまで2年半かかり、さらに共著者全員に撤回の同意を得るのに1年近くを要した例もある。

STAP細胞:「申し訳ない」小保方さんが返信メール
毎日新聞 20140311日 2055分(最終更新 0311日 2239分)
記者会見する山梨大の若山照彦教授=甲府市の山梨大ライフサイエンス実験施設で2014年3月11日午後5時19分、山口香織撮影
 若山教授が記者会見で明らかに
 新しい万能細胞「STAP細胞(刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得細胞)」の論文について、共著者に論文を取り下げるよう提案した若山照彦・山梨大教授は11日、呼びかけのメールを送った小保方晴子(おぼかた・はるこ)・研究ユニットリーダーら理化学研究所に所属する共著者3人からそれぞれ返信があったことを記者会見で明らかにした。小保方さんの返信には、「申し訳ない」と迷惑をかけたことへの謝罪とともに、若山教授が真剣に対応を検討していることへの感謝の言葉があったという。撤回の呼びかけについては触れられていなかった。

 若山教授は、返信の具体的な内容は「個人的に受けた。意見交換のためのメール」として伏せたが、「3人とも、僕の考えを受け止めた上で、問題の解決に向けて最適な方法を一生懸命考えていこうという内容だった」と話した。また、自身が保管する、STAP細胞から作った「STAP幹細胞」の第三者機関での調査の準備を進める考えを示した。【須田桃子、山口香織】



追記(2014年4月9日)

小保方さんの会見がテレビで放映された。二時間の予定が二時間半を超えた。「私の未熟さでご迷惑をかけて申し訳ありません…しかし、STAP細胞は存在します…」と…紳士的で謙虚な会見だったと思う。理研に対しても抑えた発言をしていた。
入院しているそうだが、頬がこけ、精神的重圧が相当にあるように見えた。しかし、インデペンデント(小保方さんとは別に独立して実験に成功した科学者)がいるそうだ。STAP細胞が存在することを祈りたい。私の最初の印象は、ツイッタ―に投稿したのだが次のようなものだった。

今STAP細胞の小保方さんの会見がNHKでやっている。やせたね…でもよく出てきた。ちゃんと謝ったし主張もしている。表情からは、精神的重圧がよく分かる…何が捏造かが問題かな…STAP細胞は存在すると主張していたが、そうであって欲しいと思う…


「200回作成成功」「第3者も成功」と主張 小保方氏、STAP細胞存在に絶対の自信

2014/4/ 9 17:27

   新型万能細胞「STAP細胞」の論文に「改ざん」や「ねつ造」があったとされる問題で、理化学研究所(理研)の調査研究結果に不服申し立てをした小保方晴子・研究ユニットリーダーが2014年4月9日、大阪市内で会見した。
   自らの行為については「ミス」だとして調査をやり直すように改めて求めた。STAP細胞の存在については、作製に200回以上成功したことや第三者による作製が成功したことを根拠に、絶対の自信を見せた。

紺のワンピースに真珠のネックレス姿で登場

   小保方氏は紺のワンピースに真珠のネックレス姿で登場。8分にわたる冒頭発言では、論文の「不備」を繰り返し陳謝しながらも論文の結論については正当性を引き続き主張した。
「多くの研究者の方々から見れば、考えられないようなレベルでの間違いが沢山生じてしまっていると思われると思われるが、この間違いによってこの論文の結論に影響がないことと、何よりも、実験は確実に行われており、データが存在することから、私は決して悪意を持ってこの論文を仕上げた訳ではないことをご理解いただきたい」 「STAP現象が論文の体裁上の不備で否定されるのではなく、科学的な実証、反証を経て研究が進んでいくことを心から願っている」
論文撤回は「『この現象は間違いです』と世界に発表することになる」
   小保方氏によると、STAP細胞は200回以上作製に成功しており、自分以外の第3者も作製に成功したという。論文の撤回についても、「撤回するということは、そのオーサー(著者)が『この現象は間違いです』と世界に発表することになる」として、「結論が正しい以上、その(論文を撤回するという)結論を世界に発表するのは正しい行為ではないと考えている」と明確に否定した。
   不服申し立てを行った経緯については
「事実関係をよく理解していただかないまま不正と判定されてしまった。弁明と説明の機会を十分あたえてくださったならば、必ず間違いが起こった経緯を理解してもらえると思っている」
と説明した。いわば、小保方氏が改めて説明し、理研が事実関係を調査しなおせば「研究不正」の認定は覆るはずだという主張だ。

2014年(平成26年)4月14日[月曜日

小保方氏「作製実験毎日のように実施」


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STAP細胞を巡る問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーは、先週の会見で、「STAP細胞の作製に200回以上成功している」などと述べ、科学者などから疑問の声が上がっていることについて、「作製の実験は毎日のように行っていた」などとする文書を弁護団を通じて発表しました。
STAP細胞を巡っては、先週、理化学研究所の小保方リーダーが会見し、STAP細胞は200回以上作製に成功し、第三者も成功しているなどと述べましたが、多くの科学者からデータが示されていないなど疑問の声が上がっていました。
これに対し小保方リーダーは14日、弁護団を通じ文書を発表しました。
この中で小保方リーダーは、会見で200回以上作製に成功したと述べた点について、「STAP細胞作製の実験は毎日のように行い、1日に複数回行うこともあった。万能細胞の特徴の1つの多能性マーカーが陽性であることを確認し、STAP細胞が作製できたと確認した。平成23年6月から9月ごろまでに100回以上、平成23年9月以降も100回以上作製している」などとしましたが、具体的な実験データなどは示されませんでした。
また、STAP細胞が存在するかどうかで極めて重要な第三者の成功についても、「迷惑がかかってはいけないので、私の判断だけで名前を公表することはできないが、理化学研究所もその存在は認識しているはずだ」としています。
これについて理化学研究所は、「細胞の多能性マーカーが陽性になるまでは確認した研究者が所内にいることは認識している。ただ、これはSTAP細胞に万能性があることの証明になるものではなく、作製に成功したと言えるものではない」と話しています。

専門家「可能なところだけでも公開必要」


今回の説明について、日本分子生物学会副理事長で九州大学の中山敬一教授は、「多能性マーカーはさまざまな組織に変化することを確認する第一段階で、この実験だけで多能性を持つ細胞であると証明できるわけではない。科学の世界では『作製した』というには不十分なものだ」と指摘しています。
そのうえで、「疑いを晴らすためには、こうしたコメントを発表するだけでなく、実験ノートなどを可能なところだけでも公開することが必要だ。ネイチャーに発表した論文の部分はすでに公開できるはずで、そうしないかぎり、科学者から信頼されることはない」としています。



 朝鮮日報がこんな記事を書いている。外から見るとこんなふうに写っているのか…
記事入力 : 2014/04/16 09:56

「涙の会見」小保方氏に日本政界から擁護の声STAP細胞の存在を訴えた「涙の会見」を機に擁護する声高まる

  
「彼女がかわいいからというのではない。われわれがあら探しに没頭しすぎているのではないか」(自民党の町村信孝・元官房長官)
「若い女性がよく耐えている」(日本維新の会の中山成彬・元文部科学相)
 「ノーベル賞候補の筆頭」から「盗作と捏造(ねつぞう)のインチキ科学者」へと転落した、日本の理化学研究所(理研)の小保方晴子・研究ユニットリーダーを擁護する発言が、日本の政界で相次いでいる。
 転機となったのは今月9日に行われた「涙の記者会見」だ。小保方氏は涙ながらに「200回以上にわたってSTAP細胞を直接作成した。ミスはあったが、捏造はしていない」と主張した。記者会見の模様は全国に生中継され、視聴率は12%に達する異例の事態となった。STAP細胞はあらゆる細胞に変化し得るという新たな万能細胞だ。小保方氏が今年1月末、英国の科学雑誌「ネイチャー」に論文を発表したが、理研は今月1日、写真やデータの改ざんを理由に、論文の撤回を勧告した。
 科学界では小保方氏の記者会見について「学者たる者が見せるべきものは涙ではなく科学的なデータだ」「自己主張ではなく証拠を示せ」などと批判した。だが、国民の声は違った。町村氏は報道の過熱を懸念し「女性が働きやすい社会をつくることが重要だ」と述べた。一部の雑誌が、小保方氏がほかの研究員たちと不適切な関係にあるという疑惑を取り上げたことを批判したのだ。
 一方、理研は当惑している様子だ。小保方氏は記者会見で、理研が手抜き、または自分たちに都合のよい調査を行った、と批判しており、これに同調する声が高まっているためだ。小保方氏が米国に留学していたときの指導教授で、論文の共著者でもあるハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は15日、京都で行った講演で「STAP細胞は絶対に存在する」として、小保方氏に対し「ボストン(ハーバード大)に帰ってこい」と呼びかけた。
東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


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小保方氏「日本にいていいのか」 海外からのオファーも

2014.5.8 18:35 STAP細胞
 STAP(スタップ)細胞論文についての再調査が行われないとする理化学研究所の決定を受けて、小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)側は激しく反発した。代理人の三木秀夫弁護士によると、連絡を受けた小保方氏はしばし絶句。三木弁護士は「結論ありきで、とうてい承服できない。論文は取り下げない」と強い口調で語った。
 三木弁護士によると、理研の決定は午前10時半ごろ、電話とメールで寄せられた。小保方氏は三木弁護士から電話で伝えられた際には絶句したという。その後「世に出したばかりの研究を引きずり下ろされるようなことがあっていいのか、日本にいていいのか」という趣旨の発言をしたという。三木弁護士によると、小保方氏には外部からのオファーが「たくさんきている。そんなとこおらんでいい、と世界中から」と海外からも招聘の話があることを明らかにした。
 小保方氏の様子について三木弁護士は「何を言っても通らないのだと、絶望感に打ちひしがれている」と説明し、「昨日までは理研でやりたいといっていたが、今後は分からない」と、理研以外で研究を続ける可能性も示唆した。
 論文の撤回についても、事前にどんな結論が出ようと取り下げないことを確認していたとし、「撤回は実験がゼロになることなので、現時点ではない」と否定した。今後は、理研懲戒委員会による懲戒処分も予想されるが、三木弁護士は「訴訟も選択肢の1つとしてあり得るが、方向性はまだ決めていない」と話した。
 三木弁護士は決定について、求めていた調査委のメンバー変更が受け入れられず、最初に不正を認定したメンバーが再び結論を出したことを批判。「最初から結論ありきで始まっている。調査委メンバーにも論文疑惑が発生しており、信頼性の全くない調査委で結論を出されたことは本当に腹立たしく、残念に思っている」と述べた。

 調査委員会のメンバーの中に、自身の論文で切り張りをした人が、他にもいるそうだから…自分達の事は棚に挙げて、小保方さんだけを責めることはできないと思う…調査ぐらい時間をかけてするべきではと思った。所詮は科学者にも、学会という村社会があるような気がする。
 小保方さんが、あまりにも目立ち過ぎたのがいけなかったのかな…出る杭は打たれる方式のような気がする…結果はどうなるか分からないけれど、捨てる神あれば拾う神ありという。いっその事、外国で研究を続けるのも好いかも知れない…頭の固い村社会のオッサン達を見返して遣れば好い…人生七転び八起き…頑張るべし!…

追記
201464日 読売新聞夕刊1
小保方氏 主論文撤回同意

STAP研究 共著者に文書提出

 理化学研究所は4日、小保方晴子ユニットリーダーが、研究不正と認定されたSTAP細胞の主論文について、撤回に同意したことを明らかにした。英科学誌ネイチャーに掲載された2本の論文のうち、付属的な1本の撤回には既に同意していたが、主論文についても同意したという。ネイチャーが撤回を認める時期は不明だが、STAP細胞の存在を示す科学的な根拠はなくなり、当初、生物学の常識を覆すとされた成果は白紙に戻る見通しだ。
 理研広報室によると、小保方氏は3日、論文の共著者の一人である丹羽仁史・理研プロジェクトリーダーに、撤回に同意する署名入りの文書を提出したという。今回、撤回に同意したのは、STAP細胞の作製方法や特徴をまとめた主論文。理研調査委員会が画像データに改ざんなどがあったと認定したが、責任著者の小保方氏は「STAP細胞はある」と主張し、撤回に反対していた。小保方氏が一転して同意した理由について、理研広報室の加賀屋悟室長は「確認していない」と話した。
 主論文のもう一人の責任著者になっている米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授も、撤回について、著者間の話し合いに応じているという。
 小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士は4日、「著者間で論文撤回について協議していたが、同意したかどうかは分からない。本人は極めて精神状態が悪い。自主的に同意したとは思えない」と話した。


201464日 読売新聞9
STAP 別マウスの遺伝子

理研研究者 幹細胞データを分析

 理化学研究所の小保方晴子ユニットリーダーらが    STAP細胞から作ったと報告した幹細胞の遺伝子について、理研の別の研究者が分析したところ、実験で使っていないはずのマウスの遺伝子が含まれていることが分かった。ES細胞(胚性幹細胞)など既知の2種類の幹細胞で働く遺伝子と特徴がよく似ており、論文と一致しないという。
 理研は、論文に不正があったとして撤回を求める一方、STAP細胞の存在自体については確認のための検証実験を進めている。今回の分析は、検証実験に影響を与える可能性がある。
 理研関係者によると、論文で報告された幹細胞の詳しい遺伝子情報は、公式なデータベースに登録されている。小保方氏が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)とは別の研究拠点である総合生命医科学研究センター(横浜市)で、これを分析し、理研本部(埼玉県和光市)で開かれた会合で先月、発表した。

 英科学誌ネイチャーに掲載された論文によると、実験で使ったのは「F1」と呼ばれるマウスだった。だが、分析の結果、「B6」と「CD1」という別の2系統のマウスの遺伝子が幹細胞で働いていたことが判明。さらに詳しく調べると、これらの遺伝子は、B6から作ったES細胞と、CD1から作ったTS細胞(胎盤に変化する能力を持つ幹細胞)の特徴を示した。